カンフーと動物を楽しむ「シャン・チー」
こんにちは、爪です。
今日はMARVEL シャン・チー/テン・リングスの伝説!
爽快感を求めて観てきました。
MARVEL初のアジア系ヒーローで注目を集めている作品のようです。
ちなみに私のMARVEL視聴歴はこちら。
・アベンジャーズ エンドゲームまで全部
・アイアンマン1・2・3
・ドクターストレンジ
・スパイダーマン1・2
・マイティソーバトルロワイヤル
マーベル好きな友達に教えてもらって大事なとこは抑えているはずです。
マーベル作品の好きなとこは観ていて気持ちいいところ!
音楽もかっこいいし、笑えるシーンもあるし、アクションかっこいいし、頭空っぽにして観れますよね!そんな私が最新作シャン・チーをレビューしていきます。
あらすじ
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のその後の世界。父が率いる犯罪組織テン・リングスを離れてサンフランシスコで暮らしていたシャン・チーは、捨てたと思っていた過去に立ち向かうことを余儀なくされる。
感想
※ネタバレを含みます
まずは好きなところから!
カンフーかっこいい~~
アクションっていうとガンアクションやカーアクション観ちゃうので、カンフーは目新しくてかっこよかったです。中国映画ほとんど見たことないんですが、ジャッキーチェンとか観てみたいなと思い始めました。カンフー系観たことない人の入門というか、ファーストステップとして良いんじゃないでしょうか!?
しかも登場人物それぞれ戦い方が違ってかっこいい!!!
特に主人公の妹のシャーリンが縄?を使うんですがめちゃめちゃイカす。クールで見た目も黒髪ぱっつんという私好みど真ん中で、一番好きなキャラでした。強い女性に憧れます。わたしも強くありたい。
このアクション見れただけで映画見に行って良かったです。
現代HIPHOP感→中国秘境への移り変わりが面白い
前半出てくるナイトクラブ「ゴールデンダワー」では今時HIPHOPな雰囲気。重低音でドゥンドゥンする音楽が鳴ってる感じ。アジア観楽しみたかったけどこういう世界観なんだ・・・と観てた時は不安でしたが、(私的)見どころは後半。魔法?で隠された村にたどり着いてからの世界観が好きでした。動物たちがかわいくて、「中国の伝説の動物感」が出てました。羽生えた顔ない動物いるんですけど、可愛すぎてぬいぐるみ欲しくなります。主人公たちが衣装を着替えるとこもテンションが上がる。
微妙だな~と思ったのは、ドキドキわくわくしなかったところ
もう色々と展開が読めてしまいました。基本全てがベタ。王道なので仕方ないとは思いますが、もうちょっと何か欲しかったなあと思います。どっかで観た気がするなあって展開ばっかりでした。
2つ目は主人公も敵(お父さん)も好きになれなかった...
上記の話にも通じますが、キャラクターも王道過ぎたのかなあと思います。優しく気高い母。家族を愛していたが絶望した父。冴えない主人公が実は力を持っていて、ピンチに覚醒する。もっとマニアックな要素を入れてくれたほうが人間味を感じてキャラクター事体を好きになれたんじゃないかなと思います。
主要ふたりが好きになれなかったのでいまいちのれませんでした・・・
最後に、
そんな感じで好きなところも好きじゃないところもありましたが、大画面で見るカンフーアクションは迫力十分!終盤も迫力のある映像が沢山ありました。
マーベル全体にこの作品がどう影響してくるのかまだ分かりませんが、今後も楽しみです。
つたない文章最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!
名作を観てみたい!黒澤明監督「羅生門」
こんにちは 爪です。
生まれて初めて黒澤明監督の映画を観ました。
選んだのは「羅生門」です。
中学か高校のときに教科書で芥川龍之介の羅生門を読んだ記憶が微かにあり、取っつきやすくて選びました。
後で調べると、羅生門と藪の中というふたつの小説の要素を併せたものだったようです。
あらすじ
羅生門の下で2人の男が座っているが様子がおかしい。雨宿りに立ち寄った下人は「恐ろしい話を聞いてしまった」とつぶやくその男たちの話を暇つぶしに聞くことにした。それは男たちが参加した検非違使での話であった。山の中で見つかった男の死体。事件の当事者たちがそれぞれ起こった出来事を証言していくのだが・・・?
感想
※ちょっとネタバレあります!
普段時代劇とかも観ないので、観れるかなと不安になりつつ見始めました。
最初からかなり惹き込まれる!!!!
確か芥川龍之介の羅生門って、羅生門の下にある死体から何か盗むとか盗まないとかそんな話だったような・・・程度の知識しかなく、そんな話で面白い映画になるのかななんてネガティブなことを考えてましたが杞憂!
羅生門の下に座っている男たちがぶつぶつ言っているところから、これから何が起こるんだろうっていうドキドキ感がすごかったです。初っ端で心掴まれたので、スムーズに映画に入り込めました。
昔の映画って間が長いというか、画面があんまり動かないからか、途中退屈だなーって感じることが私はよくあります。
この羅生門も間はあるのに退屈だとは感じませんでした。映像が印象的だからでしょうか?演技がすごいから??
カットを多用してスタイリッシュに見せる現代の編集に比べて、役者の魅力をこれでもかってくらいひきたてるイメージ。かっこよかった。
役者さんと言えば、京マチ子さん!
涼やかで美しい高貴な女性から情熱的な女性、か弱い女性、計算高い女性などなど・・・
シーン毎に全く印象が違いました。こんなに人間変われるものかと驚きます。
初めて見た女優さんだったのですが、他の作品も観てみたくなる魅力的な女性でした。
あと旦那さん役の人の蔑んだ目も堪らない。自分に向けられたら本当に嫌な種類の目でしたあれは・・・
ただ、いかんせんセリフが聞き取れない。
演技や前後の流れで予想はできたので話の流れは大丈夫だったのですが、結構ストレスでした。これがなければもっと楽しめただろうな~
昔の映画だからしょうがないかもしれませんが、どこかネットに全セリフ落ちてないだろうか・・・
聞くところによると黒澤映画は全部セリフが聞き取りずらいそうですね・・ショック!
そういえば今「午前10時の映画祭」という企画で、映画館で傑作映画が見られるんですよね!映画館によって違うようですが、最寄の映画館でいまやってるのが隠し砦の三悪人!
家と映画館では別物ですから、できることなら好きな映画全部映画館で観てみたいものです。
幸いにも住んでいるところはコロナの影響が少なく、県内ならば観光しても良いというお達しが県から出ているため、良い機会ですので観に行ってみようかな~
また観たら感想書きます!
それでは!
全てが芸術!映画「ザ・ロイヤルテネンバウムス」の好きなとこ
こんにちは 爪です。
今日はウェスアンダーソン監督の作品!
念願のロイヤルテネンバウムスを見たのでレビューします。
あらすじ
テネンバウムス家には3人の天才児がいる。長男チャスはビジネスマン、長女マーゴは芸術家、次男リッチーはテニスプレーヤーとして、子供ながらに成功し有名だった。唯一の不運は父親の裏切りだった。
20年後、子供たちは家を出てそれぞれ大人になったが昔の栄光は見る影もない。家族を修復したいと願った父親が画策し、再び全員が集まることになった。
感想
細部までずっと見ていたい!この世界観、好き過ぎる!
これまで観たウェス監督の作品は、グランドプダペストホテル、犬ヶ島、ムーンライズキングダム、ダージリン急行、ファンタスティックミスターフォックスの6作品。
あまり行ったことのないTSUTAYAで本作のDVDを見つけたときには小躍りしました。
他のレンタルビデオ店では置いてるの見たことなかったんですよね。
ウェス監督の作品は何度でも観たくなるのでいつか全作DVD買いたいです。
これまで見た中では1番古い作品ですが、「あ、この頃にはもう完成されていたんですね・・・」というくらい監督独特の要素が詰まっていました。好きなシーンとか言いだすときりがないので、項目ごとに語っていきます。
好きなとこ その① ストーリー
展開が良い意味で映画っぽくはないといいますか、事実を少し脚色したくらいの程良いストーリーです。基本的には淡々としているというか。冴えない主人公が成長して成功する、恋に落ちて人生変わる、など主人公のみにフォーカスを当てた劇的で分かりやすい映画では全くないです。一本芯の通ったメッセージ性の強い映画って良いですけど、たまにうるせえって思っちゃいませんか?そんなことないか。
とある個性的家族をほんとに見てるみたいでほっこりした気持ちになれます。
あとコメディとしてのバランス感がサイコー。アメリカ映画のコメディってアメリカンジョークたっぷりで大人になった今ではちょっと冷めてしまうこともあるんですよね。ウェス監督作品全体に言えることなんですが、独特なセリフと間が相まって絶妙にふふっと笑える笑いなんです。ジャンプ漫画バクマンで言う「シュールな笑い」が一番近いのでしょうか・・・?登場人物たちは真剣にちょっとずつずれていて、面白い。不思議だー。
好きなとこ その② 登場人物
変なこだわりがある人が多いです。それがいいんです。
人って行動の全てに理由があるわけではないし、一見関係のないことが本人には重要なつながりだったりするんですよね。そんな人間らしさが溢れたキャラクター達盛りだくさんなので観ていて飽きません。
あと登場人物のファッションもおしゃれな上に人物像が分かってとても良い。区別しやすくしているという役目もある気がします。恥ずかしながら洋画をよく見ていても同じような背格好で髭生やしてるとどっちがどっちかわからなくなることもありますが、ウェス監督作品は区別つかなくなることがない気がします。
好きなとこ その③ 映像表現
オープニングの緑色カーテンにピンク色のタイトルで早速心をつかまれます。こんなに原色やらパステルカラーやら沢山使っているのに全画面かっこいいのはなんでなんでしょう・・・
監督の特徴である「シンメトリー」や「全体を撮る」手法もすでに多用されていました。特に全体を撮る手法については、話している人聞いている人、両方の顔を見ることができるので好きな表現です。一方でロイヤル(父親)と(母親)が川辺で散歩している場面などは、割と普通に斜めのカットから撮影されていて、この頃はそこまで徹底してなかったのかなあと思いました。
好きなとこ その④ 音楽
60~70年代の楽曲を使用しているそうです。ビートルズやクラシックなどどこか懐かしくて品のある音楽が沢山使われています。ムーンライズキングダムとダージリン急行を併せた感じ?
spotifyにプレイリストがあるのですが、買い物中とか、散歩とか、普段の生活で流していても心地よい気分になれる!
最後に、
癒しとして定期的に見直したい映画でした!好きな人はめちゃめちゃ突き刺さると思います!
そして、こんな何とも言えない感じのコメディでおすすめがあれば、是非教えていただきたいです....!!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!
カラフルなTシャツは染まるのか?
こんにちは、爪です。
今日はお家で染めものをやってみます。
染める服はこれ!
超ド級にカラフル!!!
きらみささんという方が手作りされていて、6、7年ほど前に購入したものです。
大学時代派手な服が好きだったので一目ぼれしたのですが、ここ数年は気後れしてしまって着れていませんでした。
でも服事体は今も大好き。この生地の縫い合わせ感もかわいくて、サイズ感も他にはないジャストフィット。
タンスで眠っていたのですが、ふと思い立って染めてみることにしました。
これだけの色とりどりをまとめ上げるには黒しかないだろうということで染める色は決定。
それではやっていきましょう!!
1.必要なものを揃える
・染粉
・80℃のお湯 5L
・80℃のお湯 500mL
・塩 30g
・大きなタライ
・トング
・ボウル
・泡だて器
・食べ物と飲み物(待ち時間に食べる朝ごはん)
染粉はネットで調べて下記の商品を購入。
初めての染め物なので染粉以外にもスーパーで色々揃えました。
新しく購入したものは染粉のほかにタライ、トング、お菓子。
食料を含め全部でほぼ1000円!
2.Tシャツを洗濯する
色ムラになるのを防ぐため、汚れを落とす。柔軟剤は入れないほうが良いそうです。
洗濯したTシャツは乾かさずそのまま使います。これも色ムラを防ぐため。
3.染粉を溶かす
ボウルに染粉全量(5.8g)を入れ、500mlの熱湯(80℃)を注ぎ泡だて器で良く溶かします。
黒くてよく見えなかったですが、わりと簡単に溶けたと思われます。
80℃の熱湯の作り方は分からなかったので、ケトルで沸く直前のものを使いました。
4.染料液を作る
タライに5Lの熱湯(80℃)、塩30g、3の溶液を入れてよく混ぜます。
説明書に書いてあった本来のレシピは6Lでした。なぜ5Lにしたかというと、カラフルすぎてちゃんと染まるか心配だったので濃いめにしたのです。
※説明書に、「黒・濃色に染める場合、本品を2倍に」と書いてあったのを見逃していました・・・。これから使用する方、ご注意ください!!!
5.20分間よく混ぜる
洗濯後濡れたままのTシャツを染料液に入れて20分間ときどきトングでかき混ぜます。
説明書には手袋をして20分間もみ洗いをやるように書いてありましたが、手袋もなかったし、ずっとかき混ぜ続けるのも飽きるし無理でした。
6.20分間漬けおきする
たまに混ぜながら20分間漬けおきます。よく混ぜるほど仕上がりは綺麗になるそうです。
待っている間どら焼きとミルクティーで朝ごはん。最近ハマってるもちもちしたどら焼き。
7.すすぐ
水を変えながら10回程度よくすすぎます。
ここは説明書通りやりました。
12回やっても水は微妙に黒くなりましたが、まあいいか。
素手ですすいでいたら指がちょっと汚くなったので、ゴム手袋付けるのをおすすめします。
8.乾かす
日陰で干して乾かします。
9.完成!
完成!!!!!
お、惜しい!
もっと溶液を濃くしてよかったんですね~
でもこれはこれで元の色が生かされてると考えましょう。
真っ黒にするためには2倍の染料が必要だったようなので、しょうがないですね。
これはこれで面白いですが、また気が向いたら真っ黒にしたいと思います。
ちなみに、タグも好きだったのでマスキングテープで守ろうとしたのですが、全く守れませんでした。
さすがに見積が甘かったようです。無念。
before→After
それではまた!
映画パプリカを原作との違いから考える
こんにちは 爪です。
今更ながら今敏監督作品のパプリカを観たので感想を書きます。
あらすじ
精神医療総合研究所で働く千葉敦子は、天才科学者である時田浩作が発明した夢を共有する装置・DCミニを使用し、別人格パプリカの姿で悪夢に悩まされている患者の治療を行う優秀なサイコセラピスト。ある日、DCミニが研究所から盗まれてしまい、装置を悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せて精神崩壊を起こさせる事件が発生してしまう。敦子達は犯人の正体と目的、そして終わり無き悪夢から抜け出す方法を探る。
感想
見てる間ずっとドーパミン出っ放し。
美しい映像と広辞苑をひっくり返したような言葉のセンスが癖になって、1週間のレンタル期間中に2回観ました。
一部では、気味が悪い・不気味という評価も見ましたが、イカれ具合も映像と音楽でポップに描かれているので個人的には娯楽映画としても楽しめました。
エンドロールで筒井康隆さん原作と知って、すぐに購入しました。
「旅のラゴス」や「夢の検視官」好きなんです...!
原作を読んでいると、大まかな流れは同じですが設定は結構違います。
特に主人公である千葉敦子とパプリカの関係が全然違う!
そこでふたりの関係からこの映画のことを考えてみようと思い立ちました。
ここから先はネタバレを含みます。
映画・原作をこれから観るよという方は是非見ないでください。
また、この感想は映画を二回鑑賞、原作を一度読んだ後に書いたものです。
認識違いの箇所もあるかと思いますが、どうかご容赦ください。
千葉敦子とパプリカの関係
映画と原作それぞれの特徴を挙げた後、違いを述べて考察に入ります。
・映画版のふたり
千葉敦子はクールで頭脳明晰、容姿端麗。常に理性的な印象。めちゃめちゃ肌が白い。
千葉敦子の分身であるパプリカは、天真爛漫な少女という感じ。肌も小麦色で頬のそばかすがチャーミング。人懐っこくて誰からも好かれるタイプ。
完全に真逆の性格ですね。
パプリカの登場は基本的に夢の中だけです。しかし、終盤に敵の思惑で夢の世界が現実に侵食。その影響でパプリカも現実世界に登場し、敦子や島所長のピンチを助けます。このときのふたりの印象的な会話がこれです。
敦子「あなたは私の分身でしょう。」
パプリカ「敦子が私の分身って発想はないわけ?」
この会話や、序盤にも敦子とパプリカが会話している場面もあることから、敦子とパプリカは「別人格」であると考えられます。
・原作版のふたり
原作版千葉敦子。映画と同じくクールで頭脳明晰、容姿端麗。映画とは違って奔放で、登場する男性キャラとほとんど関係を持っています。(映画版からは想像できないシーンもあり読んでいて驚きましたが、敦子の目的や感情の機微が読んでいて分かったので個人的には原作敦子めちゃくちゃ好きです。)
毎日のようにテレビ局から出演依頼のくる美しさが損なわれることがないのはさいわいと言えたが、あいにく治療に利用する以外は自分の美しさにも、テレビ局にも彼女は関心がない。
小山内が真顔になった。辛らつなことばの応酬で敦子にかなう者はいないということを思い出したようだった。(小説パプリカより)
原作版パプリカは、千葉敦子が内密なセラピーを行うために変装した姿。千葉敦子が自分で化粧を施し気持ちを切り替えることで、夢探偵パプリカとなる。
その髪型や身装りからはややいかれた小娘としか見えなかったパプリカが、話すにつれて次第に知性を眼の光やことばであらわにしはじめた。
パプリカになるにはどうしてもある程度の時間がかかる。髪型を変え、化粧を変え、そしていちばん厄介なのが、いったん貼り付けたら洗面くらいでは落ちない「そばかす」を眼の下にひとつひとつピンセットで付着させていく作業だった。それによって顔が大きく変化し、若返ると同時に、その作業の中でパプリカになる心の準備が整っていくのである以上、おろそかにはできない。(小説パプリカより)
敦子とパプリカの違いは服装、容姿、しゃべり方など。あまり中身に差はありません。
・原作と映画の違い
上記から、原作と映画で敦子とパプリカの関係が大きく異なることが分かります。
原作においてパプリカはあくまで敦子が演じる少女ですが、映画版では明らかに違う人格と区別されています。
考察
なぜ映画版では別人格として描かれたのでしょうか?
正解は分かりませんが、私が考えた別人格として描くメリットは二つです。
①夢と現実が混ざり合う様を表現できる
②「無意識」を強調できる
①夢と現実が混ざり合う様を表現できる について
映画パプリカを観終わって、私は率直に夢の表現や夢と現実が混ざっていく表現がとても好き!!と感じました。みなさんもそう感じた方が大多数ではないかと思います。
ちなみに私の最も好きなシーンは、「島所長が壊れていくシーン」。
それまで普通に会話していただけに、所長の発言が変なことに初めは気が付かなかったんですよね。一瞬パプリカが怪訝な顔をする描写が入って、その後しばらく所長がちぐはぐなことを話し続ける。
「オセアニアじゃあ常識なんだよ!」
「賞味期限を気にする無類の輩は花電車の進む道にさながらしみとなってはばかることはない!」
「思い知るがいい!三角定規たちの肝臓を!」
賢い人の頭を引っ搔き回して出てきた単語を福笑いしたみたいな。組み合わせが変なだけで文章が一見成り立っているのが面白い。
この場面は、音楽も過剰な演出もないにも関わらず(ないからこそ?)とっても異質に映りました。その後所長が急に走り始めてから音楽がかかり、不気味さに拍車がかかる。
現実に静かに流れ込んでくる夢の狂気を存分に感じられます。
すみません、前置きが長くなりましたが、
とにかくパプリカは夢と現実の表現を楽しむことができる映画なんだと感じたのです。
夢と現実が最も混ざり合っているのが終盤。
自分の分身であるはずのパプリカが出現する。同時に存在するはずのないふたりが一緒にいることで、より現実ではない、という違和感を味わえることができたと思います。
単純に夢の中だけの分身と自分が協力するなんてアツい展開ですよね!!
終盤の盛り上がるシーンのためだけでも敦子とパプリカを別人格としたメリットはあったのではないかと思います。
②「無意識」を強調できる について
原作の序盤、敦子と小山内によるこのような口論があります。
小山内「分裂病の患者は神経症の患者みたいに無意識を偽装させているんじゃなくて、すでに無意識をそのまま声高に語ったり、そのまま演じたりしているわけです。~。」
敦子「でもその無意識は、分裂病患者の無意識なの。だからシニフィアンとシニフィエと異常な結びつきを調べなきゃならないでしょうが。」
急に難しい。
他のシーンでもフロイトやユングといった心理学者の名前や専門用語が度々出てくるため少し調べてみました。
上記の口論、原作の描写、調べたことを併せてかろうじて私の頭で分かったことは、
・無意識とは、自覚できない心の領域。(感情、忘れているトラウマなどなど)
・夢は無意識を反映しているため、夢を分析することで自分への理解が深まる。
・無意識も意識や自我に知らず知らずのうちに影響を与える。
・患者の無意識=夢では、姿形と意味が必ずしも一致しない。(例:Aさんからいじめられる夢を見ていても、夢が示唆するのはAさんと似た別の人である、など。)
心理学、さらっと調べただけでは到底理解できそうになかったですが興味深かったです。
ただ、やはり「無意識」というキーワード。これは夢を象徴する言葉であり、夢をテーマにしている本作においても重要だと分かりました。
ここで思いつくのが、「パプリカ=敦子の無意識から形成された人格」という仮説です。映画に当てはめて考えてみます。
・夢は無意識下の世界。無意識の自分であるパプリカは、その世界を自由に動くことができる。
・パプリカの人格は敦子の無意識下の人格であるため敦子にもコントロールできない。
・時田の「欠如はパプリカ?」シーンについて、あのとき敦子とパプリカは分離していた。パプリカは無意識の存在と言っても、無意識(パプリカ)は意識(敦子)に影響を与えるため、その影響がないわずかな変化に時田は気が付いた。
などなど・・・
ただ本当にパプリカが敦子の無意識領域でしかないとしたら、内密な治療をパプリカが請け負うことに疑問が残ります。それを加味するとこんな感じでしょうか。
優秀なサイコセラピストである千葉敦子が、DCミニを使用した夢の中の治療には「自分の無意識の人格」が最適であると考える。優秀なのでなんとかパプリカを出現させることができるようになる。当初はコントロールできていたが、やはり無意識の存在であるが故にどんどんコントロールができなくなっていく・・・。
うーん、、、それともこんな感じ?
DCミニでの治療には危険が伴う。精神力が弱いと患者の夢に同調してしまい、自分に影響があるためだ。敦子はそれを防ぐため、夢に入る際は「自分の分身=パプリカ」を作り、できるだけ夢全体を客観視することを思いついた。治療を重ねるにつれ気づかぬうちに無意識下の自分が投影されていってしまう・・・。
(/・ω・)/☆★☆
おそらく映画のテーマでもある「夢と無意識」。これを強調するために映画では「パプリカ=敦子の無意識から形成された人格」として、敦子とパプリカを別人格にしたのではないでしょうか。どうでしょうか。
以上、わたしのとっちらかった考察でした。
映画パプリカの魅力とは?
色鮮やかな映像、魅惑的な音楽や言葉によって、意識のあるうちに夢を楽しむことができる映画です。
お酒を飲みながら映像表現やセリフに浸るもよし。
パプリカをきっかけに自分の夢や無意識について考えるもよし。
細部までこだわりが詰まっていて見るたびに違う楽しみ方ができそうです。
最後に
長文・乱文でしたが読んでいただきありがとうございました。
考察というものを初めてしてみたので楽しかったです。
それでは。
【古民家セルフリノベ】古い空き家を買うまで(後編)
前編はこちら。
わたしたちが現在住んでいる場所は、便利な場所ではあるが、車無しでの生活は難しい。スーパーやドラッグストア、コンビニはすぐに行けるが、通勤やそのほかの買い物は車がないと無理なので、一人一台は車を持っている人が多い。我が家もファミリーカーと軽自動車の2台持ちだ。
そこで浮上してくるのが、駐車場問題。
この激安空き家の敷地に車は入れない。あの古いコンクリート階段のせいだ。近くに駐車場があるので借りてしまえば良いが、敷地内に止めれるに越したことはない。それにセルフリノベーションにも車は必要になるに違いなかった。何か方法はないかと悩んでいるとき不動産営業のNさんから助言をいただいた。
「市に相談してみれば、もしかする階段をスロープ状にするなどの許可が貰えるかもしれませんよ」
この助言に、道路のような公共物を自分たちの意志で変更できるなどといった発想がなかった私たちは非常に驚いた。
市役所に行ってみることにした。
①道路の所有者の確認
営業Nさんからいただいた「公図」と「登記簿」から、松江市が所有者であることが確認できた。
②市役所で①の確認
念のため市役所で住所や地図から、所有者が松江市であることを確かめてもらう。すると、市道でも赤道でもなく「2項道路に指定された松江市所有の土地」であることが分かった。個人所有の私道ではなかったので一安心。(ネットで前面道路が私道だった場合のトラブルを見て戦慄していた。)さらに2項道路に指定されていたため、土地が再建築可能であることも分かり安心。
③道路の形状を変更可能かどうか聞く
適切な方法はわからないが、車を入れるために階段をスロープ状にしたいと熱く伝えたところ、優しそうな職員から、交通量の多い場所でなければモルタルで埋めてしまったらよいだろうと教えてもらえた。周辺住民さえよければ松江市的には問題ないらしい。階段の先にあるのは3件の空き家。その内の一つが売りに出されているため使用するのは私たちだけのようだ。(実際に変更する場合は、市役所を通して空き家の持ち主に連絡を取る予定。)
あとは文字のいっぱい書いた許可申請書や資料を提出すれば、すんなり許可はもらえそうな雰囲気だった。やった。
階段問題に光がみえてきたが、敷地に車を止めるにはもう一つ問題があった。
それは、車を止めるためのスペースの確保
敷地は広いものの、離れや木があるため、それらを何とか撤去する必要があった。
離れの解体で出るゴミを運ぶために、できるだけ車を近づけたい。しかし周辺の道はとても狭い。
しかも袋小路のため行きは良いが、帰りはバックで進む必要がある。
やってみなければ分からないので、とりあえず一度車で行ってみようということになった。
当日
完璧にイメトレをしてきたという運転手のパートナー。愛車の7人乗り10年物のファミリーカーで出発する。近づくにつれ道も細くなる。道が狭いうえに草が道路にはみ出しているため、車についている安全機能のアラーム音が鳴る。車体から一定距離まで障害物が近づくとアラームが鳴る仕組みだ。ゆっくり運転し、無事階段下の袋小路へ到着した。
問題はここからだった。
バックで少し下がると、とある建物の横に切り替えしのできそうなスペースがある。そこを使う作戦だったが中々うまくいかない。しばらく格闘していると車のアラーム音に気付いた男性と女性が家からでてきた。
「大丈夫?」心配そうに声を掛けてくれ、敷地に置いてあるコーンをどかして切り替えしやすくしてくれる。おまけに、「見られていたら緊張するだろうから中に入っておくね」という気づかいまでしていただき、お2人の背中には後光が見えた。焦りながらもおかげでなんとか脱出できた。
帰宅
随分あのご夫婦に迷惑をかけてしまったなと反省し、お詫びに行こうと計画していた。
しかし気になるのはご夫婦がでてきた建物。家というにはおしゃれな雰囲気で、お客さんらしき人も訪ねてきていたがお店という感じでもなかった。そこでgooglemapやネットで調べてみる。なんと建築事務所であることが判明した。
ちょうど古家のホームインスペクションを悩んでいたこともあり、相談してみることにした。
電話で約束をし、後日菓子折り(お詫び用)を持って会いに行く。
先日の迷惑を謝った後、やろうとしていることを伝えた。
残念ながらホームインスペクションはやっていなかったのだが、お話していくうちにちょっとしたアドバイスならできるかもしれないから今から見に行ってみようかということになった!
お2人は私たちが恐る恐る入っていった場所にも、怖くて入れなかった草むらも掻き分けてどんどん入っていく。
あっけにとられているうちに、中から外からの観察が終わった。
沢山のアドバイスをいただいたが、「木造って実はどうとでもなる」という言葉が強烈に印象深く残っている。プロフェッショナルなお2人の言葉を聞いていると何とかなるんじゃないかな、と自然に思えてくるから不思議だった。
「もし空き家を購入したら、近所なので困ったときは相談にきてください。」という途轍もなく心強い言葉をかけていただき、最後まで感謝の念しかない。
沢山お礼を言いながらお別れした。
この出会いをきっかけにわたしたちの空き家購入は前向きに検討されていくことになる。
とはいっても蓋を開けてみるまで分からないのが古家であるため、最悪の場合を想定した。何度も話しあい、それでもやっぱりやってみたいという気持ちが強かったため、営業Nさんに購入希望の連絡をしたのだった。
最後に、
この計画が動き始めてから、沢山の人に応援の言葉をかけてもらっている。
全部大事にしてなんとか成功させたいものだ。
あまり気負わず楽にやっていくのがモットーでもあるため、休日を楽しみながら進めていこう。
完
【古民家セルフリノベ】古い空き家を買うまで(前編)
はじめまして、爪と申します。
突然ですが、古い空き家を買いました。
築80年以上経っていて、空き家になって20年だそうで、つまりこんな感じです。
これからこのジャングル古家を休日だけを使ってセルフリノベーションしていくことにしました。
今日はこの家を買うことになった経緯を記していきます。
発端はパートナーからの提案。
YOUTUBEで古民家をセルフリノベーションする姿を見て、自分もやってみたいと思うようになったようだった。いつになく大胆な提案に驚いたものの、古い木造建築やインテリアに興味があったわたしは賛成し、中古物件を探すことになった。
しかし自分たちの望む条件に当てはまる物件は中々なく、探し始めてから2ヶ月経過していた。
物件を探す上で重要視していたのは「価格」と「立地」。
まず「価格」について。
二人ともマイホーム願望はなし。今回の企画は興味関心、創作意欲、そして少しの労働意欲によるもの。つまり趣味感覚である。そのためそこまでお金を掛ける気はなく、そもそも20代のわたしたちに掛けられるお金もなかった。
次に「立地」について。
今住んでいるマンションは非常に良い立地で、車がなくても日常生活の範囲で困ることはない。夕食後に散歩しながら買い物に行く楽しみが捨てがたかったため、①徒歩圏内にお店があること。そして②サラリーマンであるパートナーの会社から離れないことを決めていた。
しかし、不動産会社の営業さんに相談しても、「価格と立地を満たすのは相当難しいでしょう。ここ数年そのような物件は見たことがありません。」とばっさり言われていた。
その営業さんから郊外の物件を数件紹介していただいたが、築年数の浅いものが多く郊外でも予算は合わなかった。
半ば諦めかけながら、近所を散歩しては空き家を見つけ、ここの家かっこいいなあ売られてないかなあと眺める日々が続いていた。
ある日、会社からハイテンションで帰ってきたパートナー。
不動産情報サイトに載っている物件を見せてくれた。
その日にアップされた最新物件らしく、載っていた情報は以下。
価格:30万円
場所:割と良いところ
築年数:不明 そのほか色々不明
外観写真が一枚記載されていたが、草まみれで草の奥に壁が存在していることが分かる程度のお粗末な写真であった。
事故物件か何かだろうかと思いながらも安さにつられて、さっそくその日に見に行くことに。
google mapを駆使してたどり着くと、そこは林だった。
よく見ると上のほうに屋根の先が見えるが、あとは緑だらけ。鬱蒼としていて薄気味悪い。
横に回ると家も判別できたが、なんだか頼りない風貌で、屋根も一部落ちている。
素人のできる域を確実に超えているよなとわたしは早々にあきらめムードに。
恐る恐る聞いてみるとパートナーも同じ意見で一安心した。
しかし、数日後。
わたしたちが見た家は間違っていたことが判明した。
望む立地と価格が揃うことは今後ないだろうと諦めきれなかったパートナーが不動産会社に電話し、発覚したのだった。
内覧したい旨を伝えると、鍵は空いているので勝手に入ってくださいとのこと。
こんなことあるのだなあ。
後日場所をしっかり確認し内覧に向かう。
教えてもらった場所は先日訪れた林のさらに奥地。
林の横にはコンクリートでできた古い階段があり、そこを上っていくらしい。
古くなったコンクリートの隙間から、中から根気の入った雑草がいくつも飛び出している。階段の半分以上は雑草で覆われていて、あまり脚を差し出す気になれない。おまけに両脇からは木の枝や草がびゅんびゅん飛び出していて、さらにやる気を削がれた。
一方で乗り気なパートナーが先陣を切る。わたしは恐々着いていき、なんとか入口に到着した。
林から数メートル先。ここも負けず劣らずの草木であったが、家自体はまだしっかりしているように見えた。草を掻き分けて到着したドアには、聞いていた通り鍵はかかっておらず、中を探検できた。
中身は残置物、雨漏り、超でかい蜘蛛そのほか色々と刺激的なものばかり。
(YOUTUBEに映像を残しているので良かったらご覧ください。超でかい蜘蛛は出てきませんのでご安心を。)
帰宅後、会議が開かれた。
【爪の意見】やめたほうが良い。縁側があって興味をそそられる家ではあるけど、雨漏りがひどすぎる。きっと大事な構造体も腐っているから素人にはできないと思う。業者さんに頼むことになって結局お金がかかる気がする。
【パートナーの意見】この立地でこんなに安い物件はこれを逃したらないと思う。もしかしたらいつか出てくるかもしれないけど、やる気のある今買いたい。でも爪の意見も分かる。
会議の結果は保留。
その後も自分たちで調べて話し合ってを繰り返したが、やめるか買うか決心がつかなかった。この物件の専任であった不動産会社の営業Nさんに色々とお話を聞いたり、自分たちで市役所に足を運んだり、近所の人に話を聞きに行ったり、と情報を集める日々が続いた。
そんな中ある人たちとの出会いが転機となるのだった・・・
(後半に続く)